炭化ケイ素・アルミナとは

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炭化ケイ素

炭化ケイ素(Silicon carbide, SiC)は炭素(C)とケイ素(Si)を1対1で結合させた化合物で、天然にはほとんど存在しません。

用途説明

炭化ケイ素(SiC)は、高硬度で耐熱性・耐久性に優れていることから、研削砥石や研磨布紙の原料、そして耐火物や発熱体として利用されております。また、他の非酸化物セラミックスに比べ酸化など化学的侵食に耐えることが出来るので、各種ルツボ、窯炉焼成用部品、メカニカルシール、半導体製造用部材原料として使われております。また、熱伝導性が高いことから放熱用ヒートシンク等にも使われております。

特性

硬度

炭化ケイ素(SiC)はダイヤモンドの結晶構造に酷似しているために、非常に硬い化合物であり、圧縮による変形をしにくい性質を有しております。

耐熱性

炭化ケイ素(SiC)は、分解温度が高く、耐熱性に優れた特性を有しております。

熱伝導性

炭化ケイ素(SiC)は熱を伝えやすい性質を有しております。

耐薬品性

炭化ケイ素(SiC)は、化学的に安定しており、アルカリや酸にも侵されにくい高い耐食性を有しております。

<日本学術振興会 高温セラミック材料 第124委員会編 『SiC系セラミック新材料』>

アルミナ

アルミナ(Al2O3)はアルミニウムと酸素の化合物で、一般的には酸化アルミニウムと呼ばれております。アルミニウムは地球上で酸素、ケイ素に次いで3番目に多い元素です。

用途説明

アルミナ(Al2O3) は高純度で寸法精度の良い高密度焼結体を比較的容易に製造できるため、セラミックスの中で最も汎用性のある材料の一つです。機械的強度、耐摩耗性、耐食性などを利用した機械的用途以外にも、電気絶縁性を利用したGISや碍子用部材、IC基盤など電子工学用、特殊な製法による透光性を利用した光学用途などに広く活用されております。

特性

硬度

アルミナ(Al2O3)は、酸化物の中で最も硬度が高い物質です。

熱伝導性

アルミナ(Al2O3)は、熱伝導性が比較的大きい物質です。その反面、熱膨張率が大きく、耐衝撃性は窒化ケイ素や炭化ケイ素に比べ低くなっております。

高電気絶縁性

ソーダ含有量の少ないアルミナ焼結体は、1015Ωcm以上の高い電気抵抗を有しております。

耐食性

アルミナ(Al2O3)は、化学的にも安定しており、酸などの薬品に対して優れた耐食性を示しております。

<阿部弘、河合実、菅野隆志、鈴木恵一朗 『エンジニアリングセラミックス 二十二頁』(技報堂出版株式会社、第1版、1984年>

SiCの高温硬度 セラミックの熱膨張率 セラミックの熱伝導率

【物理特性】

項目 単位 炭化ケイ素 アルミナ
真密度 g/cm3 3.21 3.98
ヌープ硬度 Hk ~2,600~ ~2,000~
融点 2,600 分解 2,050
比熱 kJ/kg・K 0.63~1.26 0.92~1.26
熱伝導率 RT W/mK 167.6 30.2
400℃   67.0 13.0
1000℃   46.9 6.3
熱膨張係数 RT ×10-6/K 3.8 6.9
400℃   4.1 7.8
1000℃   4.8 8.3
区分 種類 JIS
記号
性質 用途 ニッソ
ランダム
炭化ケイ素質
研削材
黒色
炭化ケイ素
研削材
C 硬度が高く、切れ刃が鋭い 非金属・非鉄金属・鋳鉄の精密研削 NC NP、 RC
緑色
炭化ケイ素
研削材
GC 硬度が高く、切れ刃が鋭くもろい 超硬合金研削 NG GMF
アルミナ質
研削材
褐色
アルミナ
研削材
A Al2O3にTiO2を固溶、衝撃を吸収し強靭 一般鋼の自由研削
生鋼材の精密研削
   
白色
アルミナ
研削材
WA TiO2を含まず、破砕性で切れ刃が鋭い 合金鋼・工具鋼の精密・軽研削 50A 50R, LA, BL
淡紅色
アルミナ
研削材
PA Al2O3にCr2O3が固溶し、粉砕性とじん性が両立 合金鋼・特殊鋼の精密研削 50P  
解砕型
アルミナ
研削材
HA 強靭で研削性が良い、粉砕が少ない 合金鋼の総型、ねじ、歯車、工具研削    

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